記憶

ずっと開けたことのなかった本棚の扉を開けた。昔見た記憶が「こんにちは」と言った。ここは何も変わらないまま時が流れていたようだ。

一つずつ手に取ると、過去の記憶が鮮明に蘇ってくる。わたしの体はみるみる小さくなり、子供に戻った。青い空、薄暗い室内、その空気の感触。すべての記憶が今、舞い戻った。