しょんべん横町

平成11年11月24日。新宿しょんべん横町が火事で焼けた。忘れることはない。なぜなら、わたくしは火事の時、しょんべん横町にいたからだ。死ぬかと思った。煙にまかれるとはこのことか。死の恐怖を味わった。もくもくと立ち上る煙、炎、消防車のサイレン。もうこれで終わりなんだと思った。いや、そうなればいいと思ったのかも知れない。しかし、あっけなく現場を脱出することが出来た。新宿の街全体に煙が充満し、きな臭いにおいが立ちこめた。しょんべん横町の今後がちらと頭をよぎるが、わたくしごときにどうすることもできず、山手線のホームに立ち、電車が来るのを待った。